『ジャマイカの国鳥紹介』

初めまして。ジャマイカ北東部のポートランド県でJICA海外協力隊・野菜栽培隊員として活動している中島 俊樹です。普段の活動は小学校を巡回して子供たちと家庭菜園を行い、農業の技術・知識や楽しさを伝えています。

今回は私の趣味であるバードウォッチングに着目して、ジャマイカの国鳥であるハチドリについてご紹介したいと思います。ジャマイカ野鳥の会(Bird life Jamaica)にも所属しており、休みの日はジャマイカ人の友達と野鳥観察もしております。

ハチドリは北米から南米にかけて300種類以上が存在している、ハチのように羽を高速で羽ばたかせる小さい鳥です。

ジャマイカには現在4種類(※1)が存在し、うち3種類(※2)はジャマイカにしかいない固有種です。(※学会の見解によっては3種類(※1)、2種類(※2)の場合もある)

ジャマイカの国鳥は『フキナガシハチドリ(Red-billed Streamertail)』とよばれ、その綺麗な光沢色の体と、体長の半分を占める長い尾羽が特徴的です。その尾羽から医者が着用していた服装に似ていることから『ドクタ-バード』、飛行時に長い尾羽が開閉するのがハサミのようだから『シザーテイル』とも呼ばれています。

お土産や紙幣にも記載され国民から愛されていますが、実は尾羽が長いのは成鳥の雄だけです。繁殖期が集中する1月から6月に雄の成鳥の尾羽が成長する個体が多いので、観察のオススメシーズンは1月から6月です。

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個人的には、10時~14時ころに釣鐘状の花や樹のてっぺんの枝でよく観察できる印象です。「チッチッチッチッチッ」と高い音で鳴いており、近くを飛ぶとハチの羽音のように「ブーンッ」と羽音がします。ジャマイカ全土で観察可能ですが、キングストン周辺だとホープガーデンやブルーマウンテンで比較的容易に観察することができると思います。また、モンテゴベイ付近のロックランズバードサンクチュアリの保護区でも観察可能だそうです。

可愛い見た目に反し縄張り意識が高く攻撃的な性格で、吸蜜しているときに他の小鳥を追い払う姿も見かけます。

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日本では決して見ることができないジャマイカの野鳥も、レゲエやカリブ海に負けず劣らずジャマイカの魅力の一つだと思います。ジャマイカにお越しになった際にはバードウォッチングに挑戦されてはいかがでしょうか。